11月県例会・同友会大学”共育講座”公開講座
 11月県例会兼第14期同友会大学“共育”講座公開講座が11月27日、やまと郡山城ホールで開催され、約600名が参加。映画「日本一幸せな従業員をつくる!-ホテルアソシア名古屋ターミナルの挑戦-」の上映とあわせて、ホテルアソシア名古屋ターミナルの元総支配人・柴田秋雄氏と映画監督の岩崎靖子氏との対談が行われました。
対談は岩崎氏の進行のもと、当時の様子や、赤字からの再生、柴田氏の人づくりへの信念などを具体的なエピソードを交えてお話いただきました。ユーモアを含んだ語り口の中に、一人ひとりの従業員が自分の人生として仕事に向き合える企業風土づくりや、経営者として果たすべき責任を追求してこられた柴田氏の実践が詰められていました。

働く人が楽しいと思える会社
~従業員一人ひとりの持つ力がホテル再建へ
 1994年の着任当時、名古屋駅前は高級ホテルが次々と建ち競争が激化していました。4期連続赤字や債務超過という厳しい状況のもと、呼び込みやティッシュ配りもしました。しかし一番には、沈んだ顔をした従業員たちに投資したいと考えました。従業員たちに東京・大阪・金沢の高級ホテルや評判の旅館へ視察に行かせ、帰ってきた彼らと座談会をして「高級ホテルもうちもサービス自体はそんなに変わらない。負けているのは気持ちじゃないか?」という話になりました。
 僕が総支配人(GM)を務めた間、採用試験は面接だけでした。内心は、高学歴の子は高級ホテルへ行ってしまうので採用で競っても勝てないということもありましたが、学科試験がホテルマンとしての能力ではないという信念もありました。ある社員は芸能人と同じ名前で一発採用。名札も通常より大きくすると、お客様から「キムタク」「キムタク」と呼びかけられるようになりました。すると彼も良い接客をし出すようになったのです。同じように従業員一人ひとりについてよく見て、その子の良い個性や行動に注目していることを伝えていると、徐々にみなが良い仕事をするようになり、翌年から黒字に転換しました。これは結果の黒字です。第一の目的は従業員がうちのホテルで働いていて楽しいと思ってもらうこと。黒字はその通過点だと思っています。

人に「認められている」~積み重ねが心を育てる
 会社をつくるのは人です。その人の幸せと笑顔があってこそ、よい社風となり、よい仕事につながります。働いていてどんな時に嬉しいか、それは自分を見ていてくれる、陰でやったこともちゃんと見ていてくれる人がいるとわかる時です。褒める、認めるはテクニックではありません。関心を持たれていると感じられるかどうかです。心が壊れかけている子もいます。アルバイトの子から電話があり「ホテルまで来たけど、どうしても入れません。」そんな時は「よし明日頑張ろう。明日は一歩入れるといいな」と。心を治す、心を育てる、その基本は病院よりも会社や社会です。そして「お前たちが大事」ではなく「お前が大事」だと伝え続けること。時間はかかることですが、自分は大切にされている、自分も社会で誰かの役に立っていると思える、その積み重ねで人の心は徐々に育ち、開くことができるようになります。そして自分と同じように他の人を大切にしたいと内から思えるようになるのです。

おもてなしとサービスのちがい~お客様は応援団
 うちのホテルでは、よくお客様が旅行先のお土産や手製の人形などを持ってきてくださいました。従業員のほうも常連のお客様をしばらくお見かけしないと心配で電話をしたりするのです。ある日、常連のお客様の息子さんが来訪され「父は亡くなりました。生前ホテルにはとてもお世話になりました」とお話くださいました。そこではお客とホテルマンでなく、家族と仲間になっていました。見えなくても時間がかかっても、相手を想って少しずつやることの積み重ねが「おもてなし」だと思います。「サービス」は見える所でお金をかけてやることですね。「おもてなし」を重ねることで、お客様はホテルとホテルの従業員のファンに、応援団になってくださいました。
 ホテルのレストランが食中毒を出してしまった時、規定では報道発表の義務はありませんでしたが「正直に生きろと日頃言っているのはGMじゃないですか」と従業員たちが言ってくれて発表をしました。信用第一のホテルにとっては致命的で、僕ももうダメだと思いました。しかし営業停止期間が明けたら、お客様や取引先からの予約が次々と入りました。皆さんが「私たちでホテルを守りたい、ホテルの人たちの力になりたい」と言ってくださったのです。

会社は「人が育つ場」
~つながりを通して生き方を学ぶ
 ある従業員は「私にとってこのホテルは、お金をもらいながら生き方を学ぶ学校でした」と言ってくれました。会社とはそういうものではないかと思います。ホテルで働いた10年強は、僕自身も生き方を学び、家族をつくった年月でした。良い家族がつくれたと思っています。
 今の時代は、本当の家族でも一緒に過ごすことが難しくなっています。できることなら3世代で暮らしたり、たまにご飯を一緒に食べたりということをしてもらいたいなと思います。家の中で手を合わせる場所も減ってしまいましたが、今生きている家族だけでなく、亡くなった人を想う機会も同様です。僕が必要だと思うのは「つながり」を感じる、大切にし、大切にされていることを感じるということです。過去からのつながり、そして今生きる人同士のつながりがあります。自分はつながっている、大切にされているという嬉しさは、人をつくり、地域をつくり、国をつくると思います。自分ひとりが良ければいいのではなく、みんなが互いに生まれきてよかったという想いです。日本一幸せな従業員が働くホテルは、そのような想いがつくった場所だったのではないかと思います。

青年部会11月例会
 青年部会11月例会は兵庫同友会から報告者と座長をお迎えして開催しました。報告者の杉若太郎氏は若くしてインターネットの分野に興味を持って独立・起業され、持ち前の経営手腕で順調に会社を成長させてこられました。しかし、ある新規事業への失敗から業績が急激に悪化、さらに社員さんとの軋轢も起こり会社は危機的状況に陥ってしまいます。
とうとう創業以来ついてきてくれていた一人の大切な社員さんが「もう限界なんです…」という言葉とともに退職に追い込まれてしまった時、杉若氏に「本気」のスイッチが入りました。思い立って社員さんに「会社に対する不満を書いてくれ」と言うと、ホワイトボードの裏面いっぱいにまで書かれてしまったのですが、それら一つ一つを改善することを社員さんに約束。「社員さんとのコミュニケーション、とにかくこれを徹底的に本気でやった」と杉若氏は愚直なまでに社員さんと向き合い、信頼関係を少しずつつくっていきました。「いくら社長が立派な戦略を立てても社員さんに伝わらなければ成果は出ない。だから社員さんと向き合うことが重要なんだ」
そして杉若氏は兵庫同友会において青年部幹事長に就任します。大きな組織であった兵庫青年部内では様々な問題が起こり、その問題解決に走り回る中で組織運営についても深く学ぶ機会となりました。会員増強の目標達成に対して「リーダーは最後まで諦めてはいけない」という覚悟のもと、ここでも本気の取組みで同友会の目標とともに自社の経営目標も達成されました。
同友会活動を通じて「リーダーに求められるもの」を身につけた杉若氏の報告に、青年部会のメンバーは皆誓いを新たに本気で取り組む思いになりました。また例会に向けて座長の稲澤康博氏(パナソニックそらみみ工房・代表)が報告者と二人三脚で取り組んでおられる姿勢は、例会づくりの大きな学びとなりました。この11月例会を今後の青年部会例会をさらに良いものにしていく機会にしていきたいと思います。
(㈱リーフユニティ 植田 健史)

女性部会11月クリスマスパーティー
 音楽とオークションが恒例となった、ひと足早いクリスマスパーティー。今年は桜井市在住の演歌歌手、野村真希さんによるモノマネあり、ご当地ソングありのショーで場の温度が急上昇。そして後半は会員からの心のこもった自社製品やご家族の手作り品など提供品が並び、ハンドベルも軽やかにオークション開始。初声が高値すぎると容赦なく底値からやり直すも、再び熱く値上がり。最後は気合いのジャンケンで落札者が決まる品も相次ぎ、それぞれの商品への会員相互の愛着ぶりを知り合う機会ともなりました。
 その後各テーブルから2人ずつ来年の抱負が語られました。最後は山本智子氏が「女性部会は何でも本音で話せる関係でいられることを重視して活動している。これからも男女問わず女性部会の例会などにどんどん参加してほしい」と、男女ほぼ同数参加者となったひと時にふさわしい挨拶で締めくくりました。
(特定非営利活動法人ほっとねっと 寺前 美加)