経営指針セミナー オリエンテーション
 2015年度経営指針成文化&実践セミナーが開講しました。経営労働委員会では、セミナー設営の主体となりこれまでの学びを振り返りながら準備を重ねるなかで、同友会が提唱する経営指針づくりにあたっては「人を生かす経営 ―中小企業の労使関係における見解-」がベースとなることに確信を深めてきました。そして今年は初めての試みとして、同友会大学“共育講座”での雇用・労働の講義を「労務セミナー」と位置づけて参加するなど、同友会らしいよい会社づくりをめざそう、と参加を呼びかけました。
今年度は34人の経営者・経営幹部が参加して、2月まで講義とグループ討論を重ねながらともに経営指針の成文化、実践の振り返りと見直しを行います。11月14-15日には第1講「経営理念」が行われました。宿泊もともなう2日間のなかで、初参加者を中心に就寝の時間まで具体的な相談をしたり、個別に話を聞いたりするなど貪欲に学びあう濃密な時間を過ごしました。
 初参加者からは受講にあたって「去年同友会に入会してから待ちに待った指針セミナーに参加できる」「自分が店を空けてセミナーに参加するなんて無理だと思っていたが、経営労働委員の皆さんの助言で1年かけて出られる体制をつくって、今回参加することができて嬉しい」「業界も変わり今のままではダメ。自分が変わり、自社が変わらなければと思って参加します」など受講への決意や思いが表明されました。
(奈良同友会事務局 山崎 聖子)

障害者問題全国交流会in愛媛
 10月22~23日に愛媛県松山市で第18回障害者問題全国交流会(障全交)が開催され、「共に学び、共に働き、共に暮らす地域を創る!」というテーマで、各地同友会から631名が参加しました。奈良同友会からは、同友会の全国行事が初めてという会員を含め10名が参加。
1日目は愛媛大学名誉教授・聖カタリナ大学教授の山本万喜雄氏より「共に育ちあい、働いて元気になる~同友会運動における障害者雇用を考える~」をテーマに、働くことと人とのかかわりを通した育ちあいについて問題提起がありました。(山本氏には奈良同友会の今期同友会大学にも講師としてご登壇いただく予定です)
その後6つの分科会ではそれぞれに「経営指針」「社員教育」「共同求人」「障害者問題」「ソーシャルインクルージョン」というテーマが設定され、また「地震に備える」というテーマの特別分科会は、一般からも参加がありました。多様な分科会の様子からも、同友会の障害者問題が障害者雇用にとどまらず「人を生かす経営」と「地域とともに歩む」という幹とともに捉えられていることが改めて表れた交流会となりました。障害者問題を通して企業づくり、地域づくりの学びが深められた2日間となりました。
(奈良同友会事務局 山崎 聖子)

北和支部10月例会
 10月は、経営労働委員会で活躍されている清水氏に「経営指針の成文化と実践」というテーマでご報告いただきました。同友会の例会で先輩経営者の話を聞くうちに、経営指針書は必要・必然、指針書を作れば明るい未来が待っている、そう思ったと話します。しかし「今では、成文化して、継続して、実践することが正解だと思う」と、自身の取り組みを振り返られました。
 清水氏は、京都嵯峨野にある瓦職人の塾で厳しい修行の日々を送った後23歳の時に孫七瓦工業㈱へ戻ってきました。同友会へ入会したのは2007年。入会1ヶ月してすぐに中和支部の指針をつくる会に、その後青年部会の指針づくりに参加しますが、飛び交う用語が難しく感じられ指針書の完成には至らず悔しい思いをします。2012年に経営労働委員会の活動内容を聞き、ここに参加していれば自社に持ち帰れるものがある、と確信し委員会へ参加します。これが「尊敬でき、相談できる経営者仲間をつくれれば、切磋琢磨して良い会社をつくれます」そう言い切る清水氏の原点となりました。以降毎年、経営指針成文化セミナーに参加。また他社の経営指針発表会も見学に行き、自分の言葉で自社の未来を楽し気に語る姿に刺激を受けます。自社の将来の姿を描き、そのために今年の方向性として打ち出すのが「方針」であることが腹に落ち、それまで納得がいかなかった自社の経営方針にも反映させました。経営理念も、全社員にシートに記入してもらった上で半年議論してまとめ直しました。「みんなの意見を入れ、みんな納得している。その自信があります。」
清水氏は経営指針の見直しを続けることで、瓦の需要が減少するのに対して新規事業を複数の柱として育てること、職人である社員さんに原価や販売管理費や利益の考え方も伝えて、自分以外も営業施工管理業務ができる体制にすること、給与制度を月給制へと移行して社員の生活の安定を図ること、30年ぶりの新卒雇用など様々な社内変革を実践していきました。同友会ではよく10年続ければ社風が変わる、と言われます。自身もこの8年で徐々に、でも確実に変わってきたと感じています。「100の能書きより1の実践」と学んで実践する大切さを訴える言葉には、強い確信が込められていました。
(奈良同友会事務局 山崎 聖子)

中和支部10月例会
 中和支部の10月例会は、7月の北和支部例会でもご報告いただいた佐原氏に、自らの歩みと自社の取り組みをお話いただきました。地域の美味しいものを材料として使い、オリジナリティあふれる製品を創り出し、各地のイベントなどで大人気の「たっくんのバームクーヘン屋さん」。地元の人たちがファンになってもらえると同時に、材料を提供してもらう生産者にも喜んでもらえる商品づくり、そして奈良の方が他県に行くときに奈良の土産として買ってもらえる商品を・・・との思いでバームクーヘンの製造販売に取り組まれています。
この日も実演していただいた「解体ショー」などの発想力と、コラボレーションを実現する実行力、そして「みんなを笑顔にしたい」という思いが、言葉の端々にうかがえるご報告でした。
(奈良同友会事務局 深谷広人)

青年部会10月例会
 青年部会が委員会組織になって初めての例会は㈱ファーマシー木のうたの専務取締役である小林寛樹氏による報告でした。今年で創業108年、大変歴史のある会社の後継者として入社後すぐにN0.3のポストに就き、がむしゃらに実務をこなしていく中で、後継者としての資質を身につけようと急ぐ余り、社長である父親との確執が生まれます。「父にしてみれば自分の領域に土足で入ってこられたようなもの」と当時を振り返り、その険悪なムードが社内、取引先にも広がり徐々に溝が生まれ、この一線を越えると後戻りできないと感じる所まで来たとき、「自分で悪くした会社は自分で良くするしかない。会社を継ぐという事は会社の未来を預かること。そして後を継ぐ者はその意味と理由を知ることが大切だ」と「後を継ぐ」事の本当の意味に気づかれます。そして理念学習会を通して父親の作った理念と自分の想いを重ね合わせます。
商品を売ることによって地域の人々の健康を真剣に考えたい。「木のうたがあってよかった」と地域の人々に思ってもらえるようなサービスをしたい。そんな想いを働いてくれている人たちに浸透させたいという思いから朝の開店前に行う全員参加の「店舗会議」、働いてくれている人たちとコミュニケーションを図る「木のうた通信」の毎月発行などの取り組みをされます。そうすることによって働いてくれている人たちの考え方が分かったり、一人一人に合わせたやり取りが出来るようになったり、社員さんと本気で向き合う事で相手も本気になってくれる。そうやって物事を伝えることによってその中からリーダー的存在が生まれて主体的になってくれる。その仕組みを作るのが経営者としての役目であり、その仕組みをより良いものにする為に自分自身も視点を上げて主体的になることで見える景色が変わってくると報告してくれました。 
 (川端運輸㈱ 川端 真也)

障害者問題委員会10月勉強会
 今回の障害者問題委員会は、奈良県教育委員会事務局から学校教育課特別支援教育係 調整員の佐々木幸充氏をお招きして、奈良県の特別支援教育方針についてお話していただきました。まず特別支援教育の現状として、近年では小中学生の約10%が何らかの支援が必要となっており、年々増加傾向にあるそうです。その受け入れ先となる学校は奈良県には11校ありますが、特別支援教育の方針として掲げておられる「共生社会の形成」を実現するためにインクルーシブ教育システム※1の理念が重要だということでした。これは、単に障害のある者とない者が場を同じにするというだけではなく、共に学ぶ仕組みだということです。
また、特別支援学校の教育方針として、次の4点を挙げられていました。
①障害の重度、重複化、多様化への対応、②一人ひとりに応じた指導の充実、③自立と社会参加に向けた職業教育の充実、④交流および共同学習の推進
 特に印象に残ったのは、個々の能力や目標に応じて指導計画を作成し、個人への目標設定から達成までのRPDCA※2を年3回程度実施しているということです。これは我々の一般企業でも取り組んでいることで、その大切さと重要さを改めて感じました。
 最後に、特別支援学校の進路指導についてのお話がありました。子どもたちが卒業後に就職できるように、高校1年生から事業所見学をして、高校3年生では学期中だけでなく夏休みも利用して年2~3回の現場実習をしているそうです。今後はより専門的な知識を身につけることができるように、本校だけでなく分教室が設置されるということでした。特別支援教育の現場では、全ての子どもたちが輝くために、社会の中で一人一人に役割があって共存しているんだと認識できるようなことを数多く取り組まれているということを感じるとともに、私たちの企業経営にも参考になることが非常に多い、有意義な学びの場になりました。
(つなぐる㈱ 井口 敬之)
※1人間の多様性のもと誰もが人格と個性が尊重され、障害者も積極的に参加・貢献できる共生社会をめざして、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みのこと。障害のある者も教育制度から排除されず、生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供されることが必要とされる。
※2 Reserch:調査(事前ヒアリング)現状把握、Plan:計画、Do:実行、Check:チェック(反省、振り返り)、Action:次の行動へ