(株)ナカムラ・代表取締役 中村 孝士 氏

    2016年7月1日 投稿

    (株)ナカムラは、昭和30年に手作業で紙製の化粧箱を作る「箱屋さん」としてスタート。その後機械設備による生産、業界では珍しい段ボール製造との2本柱と少しずつ業態を変化させながら現在3代目になります。大量生産・大量消費から小ロット・オンタイム供給が当たり前になった時代。スケールメリットがある大手に対抗するには、「自社の特徴を買ってもらわないと」と中村氏は強調します。

    各社の特徴は、まず品質・納期・単価のバランスをどう取るかという点に表れます。そのバランス調整のために、材料の仕入先として品質・安さ・早さとそれぞれ特徴の違う3社と組み、顧客の要望に応じて仕入先を変えています。競合3社にとっては使い分けられることに抵抗感を持たれかねない選択ですが、これは信頼という土台があって実現する「チーム」戦略です。

    また納期の短縮は特に自社の強みとして意識して、地域密着こそバランスが取れると判断しました。かつて大阪・名古屋と広がっていた商圏を縮小し、現在は売上の80%は県内です。もうひとつ現在取り組んでいる特徴づくりは「自社のブランディング」。ブランド構築を追求すことにより、「取引して良かった」「この会社で働けて良かった」「必要な会社」などの3方良しを実現できる会社を目指しています。

    Work makes me strong

    Work makes me strong を部屋に掲げる中村氏は、「取引先やお客様の満足、自社の職人さんたちの誇りを追求していくうちに、経営者としての自分の存在意義も出てくるのかな」と話します。

    (奈良同友会事務局 山崎 聖子)