㈲鹿間工業・取締役 鹿間 大 氏

    2015年4月1日 投稿

     鹿間氏の父が鉄工会社を経営。京都府京都市で昭和47年に創業し、昭和63年に宇治田原へ移転。Hグレードを取得し超高層ビルなどに使われる鉄骨を製造・加工し、敷地面積は4万坪、社員数20名でした。鹿間氏は12年前に父の会社を継ぐために大手ゼネコンを退職し、京都へ戻りました。入社すると色々な面で根本的な問題があることに気づき、会社の改善に取り組みました。かなりの早さで改善の成果を出すものの、業界全体のマーケット縮小、鉄骨の売値の大幅下落には追いつかず、苦渋の選択の末、会社は鉄骨の仕入先に売却し借金を0に。そしてすぐ横の敷地でMグレードの鉄骨会社「有限会社鹿間工業」を設立されました。

    現在社員数15名。実の弟さんが右腕として工場を管理されています。高い技術を持った有資格者が多数在籍し、京都の鉄骨の大会で優勝した実績もあります。高い溶接技術、製作、検査とサービスでお客様と信頼関係を築き、その中で仕事をさせて頂いておりとても有難い、と鹿間氏。指示待ちではなく、お客様である設計者とコミュニケーションをとりながら必要な鉄骨を算出するので、喜ばれるケースが多いそうです。

     他社には無い広大な敷地を活かして自社で資材を保管しておけることが強みのひとつです。経営課題は幹部社員の育成で、来年の春から新卒を迎え、弟を支える幹部の人材育成に取り組みたいと考えておられます。社員さんが自分の仕事に誇りを持てる会社づくりをし、前の会社から離れ離れになった元社員さんも呼び戻してまた一緒に仕事をする、その夢の実現のために、同友会で経営者の学びを自社に活かせるよう日々活動されています。

    ※鹿間氏は京都中小企業家同友会へ転籍されました。

    執筆者:大倭印刷株式会社 中島 武宣